万博ジュニアサッカースクール

北に陽を目指して「R」

2021年11月10日

背番号2 昭和49年正月 初出場 初優勝

昭和48年度、第52回全国高校サッカー選手権大会決勝。

北陽高校のメンバーは、GK田中(3年)、DF島田(3年)、高木(2年)、藤山(2年)、山本(2年)、MF山野孝義(3年)、松田(3年)、山野孝明(3年)、 FW塩田(3年)、猪子(3年)、加藤(2年)。ウイングは右に猪子、左に加藤を固定し、CF塩田。MF山野孝明がトップ下に入り、山野孝義と松田で中盤を作る。DFは、スウィーパーに島田を置いた4・3・3のフォーメーション。不動の必勝メンバーとも言える。

ユニホームは、デサントの襟付。朱色に近い鮮やかな赤。左胸に丸い北陽エンブレム。通販で仕入れたMマークが目立つ赤いミクニのロンパン。赤のストッキング。地元の大応援団に後押しされ、初出場初優勝を狙う。

 

対する藤枝東高校は、当時の高校生では珍しいツートップに近いフォーメーション。エースの中村、内藤、服部、大石が中心選手。ユニホームは、学校名が由来と思われる上品な藤色のユニホーム。白の短パン。藤色のストッキング。前年度の選手権の決勝では、ここ長居で浦和市立に1-2で惜敗している。今回は何としても優勝を勝ち取りたい。

 

「赤い闘魂」と「藤色の技」の対決。ユニホームが互いのチームカラーを見事に表現している。

見どころは、北陽が藤枝東の技術、パスワーク、エースの中村をどう抑えるか。中村は大会前からユース候補に選出。100メートルを11秒代で走り、決勝までの試合では鮮やかなドリブルや、トリッキーなフェイントなどで観客を沸かせていた。藤枝東は、地元の大応援団に後押しされた北陽の大型FWの空中戦にどう対抗するか。

 

試合開始前、中村をマンマークする北陽のCB高木は、気合を入れるためにコンクリートの柱に頭突きを入れていたが、試合は前半、藤枝東があっさり先制。しかし北陽は、得意のセットプレーから山野孝明のヘディングで落としたボールを塩田が決めて同点。

試合の経過とともに、中村は天才肌の選手に見られるように、高木の強烈なチャージやタックルを嫌がり、ボールを受ける際にジャンプしてかわし始める。北陽のRB藤山、LB山本のスライディングやコンタクトもハードそのもの。

 

試合は後半、北陽の加藤が、ゴール前の混戦から押し込み逆転。藤枝東は、中村の同点ゴールかと思われたが判定はオフサイド。GK田中は、頭部を蹴られて脳震とうで倒れたが、バックスタンドからの「ファイト北陽!」「ファイト田中!」の大声援が響き渡るなか、野々村監督の「喝」で蘇生した。

2対1。「赤い闘魂」の勝ち。試合終了後、前日の表彰式の練習どおり、表彰状は山野孝義さん、優勝旗は塩田さんが受け取った。

 

筆者も含めて、この決勝戦を見ていた中学生たちは、「北陽でサッカーをしたい」とそれぞれに想いを込めて入学したのですが、「昭和は何でもありの時代」それは、それは、現実は恐ろしく厳しいものでした。※筆者追記・すいません。試合感を出すために文章の中で、北陽高・藤枝東高の先輩方の敬称を略させていただきました。2021年11月作成。 (背番号3につづく)